修学旅行でホノルルマラソン


ランナーズの2001年3月号(p.80)に、『修学旅行で参加したホノルルマラソン』と題する、群馬大学付属養護学校の校長、山西哲郎先生の書かれたレポートが載っている。

同校は、毎年、生徒の希望をふまえて修学旅行の行き先を決めている。いったん学校を離れてしまうと、外国に行くことなんて夢のまた夢だという同校の子どもたちにとって、校長先生の「修学旅行でハワイに行ってみようか」という提案は、まさに夢の実現への第一歩だった。しかし、今までにそんな例がなく、最初、関係者や文部省は消極的だった。そこに、障害を持っている同校の子どもたちが、学校では走ることが日課となっていることから、ただハワイに行くだけではなく、「ホノルルマラソンを走ってみよう」という話になった。

果たして、この計画が実現するのか・・・。

そして、その夢が現実のものとなった・・・。スタートラインで合図を待つ、同校高等部の7人の生徒たち。先生やボランティアの学生、看護婦や医師などに支えられて、今、レースが始まった。フルマラソンに挑戦したのは、生徒会長の小林君。他の6人は10キロウオークだ。給水所で「サンキュー」とおいしそうに水を飲み、地平線に登る真っ赤な太陽を見て、「まるで神様に会ったよう・・・」とつぶやいた小林君。「何度もやめたいと思ったけれど、山田さん(群馬大陸上部員)と校長先生(共に伴走)に励まされ、夢のゴールをしました」 時には立ち止まりながらも、走り、歩き続け、6時間30分54秒でゴール。ウオーキングに出場の生徒たちも、いつもより速いタイムで、全員完歩。

レースでの子どもたちのようす、交わされる喜びに満ちた声に、「自分たちからバリアー(壁)をつくり、閉じた世界にしていました」と気づいた先生たち。走ることの広さと多様さに感動し、明日への新たな夢の第一歩を歩み出す・・・。

素晴らしい話だと思った。なぜ走るのか、何のために走るのか・・・。
答えは、一人一人の心の中にある、ささやかだけど大切な<夢>への挑戦に違いない。


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