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●ドイツの教育 |
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ギムナジウム
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学校の概要
バイエルン州全体で約300校あるギムナジウムのうち、ケンプテン市内には3校のギムナジウムがある。学校によって、自然科学+言語系、ギリシャ語+言語系、経営・社会学+言語系と、それぞれ専攻(重点を置く科目)が異なり、今回訪問したアルゴイ・ギムナジウムは、自然科学+言語系専攻のギムナジウムである。設立は1969年で、緑豊かな公園に隣接しており、どっしりとした佇まいを見せている。
学校の教育方針は「自分の将来を自分で切り拓いていく能力の育成」で、生徒が「自分で切り拓いた道に意義を見い出す」ことが一番の課題だという。
生徒数は1132名で、このうち男子の占める割合が62%。自然科学系ということで、若干男子の方が多い。年齢は10〜19歳と幅広く、学年でいうと5年生から13年生までの構成になっている。生徒のうち、44%が地元ケンプテンから通学しており、遠くても25km以内の通学距離である。
この学校の大きな特徴の1つとして、スポーツに重点を置いていることがあげられる。これは他のギムナジウムにはあまり見らないことで、スポーツ協会と連携を取り合い、特にバレーボールと体操に力を入れている。体育の授業が2時間、協会で2時間のトレーニングをし、その道でかなりの活躍をしている。
また、教育実習の受け入れ校がバイエルン州全体で17校あり、この学校もその1つになっている。
校長の他に4人の管理職がおり、校長以外の管理職は週10〜16時間の授業も担当している。職員の平均年齢は49歳である。職員はすべて公務員で、バイエルン州が給料を支払っている。ただし、校舎や机などの備品類はケンプテン市の予算で賄われている。
授業のようす
約2秒程度の短いチャイムが授業の開始、終了を知らせる。7時45分から10時まで45分授業が3限続く。休み時間がないので、生徒の教室移動も早い。10時からは25分間の休憩時間があり、先生は休憩室に戻ってコーヒータイムを楽しむ。生徒たちも朝が早いためか、パンやジュースを買って少し遅めの朝食?をとっている者もいる。中にはパックに野菜を入れて持ってきている生徒もいた。
その後、10時25分から12時40分まで、再び45分授業が3限続く。12時40分になったら放課。ショートホームルームといったような時間は設けられていない。1クラスの生徒数は平均25〜26人で、最高でも33人である。
まず、10年生の生物の授業を参観した。講義式の授業である。生徒は私語ひとつせず、授業に集中している。途中で簡単な実験が始まった。生徒はみんな実に楽しそうで、先生の声しかしなかった教室がたちまち生徒の声でいっぱいになった。実験が済むと、まとめのワークシートが配られた。すぐにシーンとなり、全員がペンを走らせている。生徒自身、実に気持ちの切り替えが早い。中に、ガムを噛んで授業を受けている生徒もいたが、全く気にならなかった。
続いて、7年生の音楽の授業。教材は、私たちの訪問を意識してか、日本の「さくら」だった。しかし、どの生徒にも集中力がなく、先生も注意しようとしない。先述の生物の授業とは大違いだ。あとで聞いた話によれば、芸術教科は成績がつかないとのこと。成績に関係のない教科は適当にやる(手を抜く?)といった意識が生徒にもあるらしい。どうやら、日本もドイツも課題は同じようだ。
午後になって、12・13年生のイタリア語と音楽の、いずれも選択授業を参観した。同じ音楽の授業でも、午前中に参観した7年生の授業と違い、全員が集中してジャズの練習に取り組んでいる。選択授業で興味のある者だけが授業を受けているとはいえ、やはり年齢の違いも関係しているようだ。
意見交換
ギムナジウムへはグルンデシューレでの成績が上位3分の1の生徒が進学してくる。しかし、入学後、成績不良だと落第になり、2回落第するとレアルシューレやハウプトシューレに転校しなければならなくなる。他の学習の場を保障するという意味ではいいシステムだと思うが、現実はどうなのか、問題点はないのか等、詳しい話は聞けなかった。
宿題は、全教科合わせて毎日、低学年で1時間半〜2時間、高学年で2時間〜2時間半程度課せられている。
第一外国語である英語は5年生から必修となる。7年生になると、第二外国語としてフランス語またはラテン語のどちらか1つを選択しなければならなくなる。さらに9年生で自然科学系と言語系の2つのコースに分かれるとき、言語系を選んだ者は第三外国語としてフランス語とスペイン語のどちらか1つ、自然科学系を選んだ者は数学、物理、化学がそれぞれ課せられる。
グルンデシューレからギムナジウムへの進学は親と教師が話し合い、最終的には親が決断を下すが、ギムナジウムから大学への進学に関しては、生徒自身が決める。ギムナジウムの卒業試験にパスすれば、医学、獣医学以外の大学には進学することができ、約80%の生徒が大学に進学している。同じバイエルン州内の大学へ進学する者も多い。残り20%の生徒は就職で、銀行や税務署、医療機関の助手、看護婦といった仕事に就いている。
生徒会担当として、5〜10年生と11〜13年生にそれぞれ1名ずつの先生がおり、成績や先生との人間関係、行事などについて、月に20〜30人の生徒が問題を投げかけてくるのに対応している。これらの先生は、カウンセラーとしての役割も兼ねているようだ。
日本では見られない組織として、職員と生徒、PTAからそれぞれ代表者を3名ずつ出し、いろいろな利害関係を協議する場がある。
また、12年生以上はタバコを吸うことが認められており、校内の決まった場所で吸っている。
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