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●ドイツの教育

 レアルシューレ(実科学校)



学校の概要

 ケンプテンの市街地に位置し、1914年に創立された、州立の男子のみの実科学校である。校舎等の建物は神聖ローマ帝国時代を彷彿させる建築様式で、市の重要文化財の指定を受けている。また、校舎内は大理石がふんだんに用いられ、各階の一角にはオープンスペースが設けられている。そこには長椅子が設置され、壁には世界地図や絵画、ポスターや各種の生徒作品が展示   されている。観葉植物も置かれており、休憩時間には生徒の憩いの場となっている。
 全校生徒は約500名で、7〜10年生(4年制課程)と5〜10年生(6年制課程)の2つに分かれている。学級数は19で、教職員は37名である。


授業のようす

 午前中、5年生の技術(木工)、6年生の音楽、7年生のコンピュータ、10年生の物理の授業をそれぞれ参観した。どの授業も一斉指導が中心である。
 低学年の生徒は、全体的には意欲が感じられるものの、一部に集中力に欠ける者もおり、先生に注意を受ける一幕も見られた。しかし、高学年の生徒は、全く私語もなく、食い入るように先生の話に耳を傾けており、個々の学習に対する意欲の高さが窺えた。
 午後は、選択授業となっている写真、ジャズバンド、化学実験を参観した。週に一度実施される午後の授業は、生徒の興味や関心による選択制だが、選択科目には日本におけるクラブ活動的な要素も含まれているようである。


意見交換

 ドイツの中で、中・上流層の職種に就くことのできる生徒の育成を目指している。4年制課程では、入学して1年後に、自然科学・数学を中心とした理数系コース、または、経営・経済学を中心とした文化系コースのどちらかを選択しなればならない。6年制課程では、理数系コース、文化系コースの他、音楽コース、言語学コースの4コースの中から、自分の将来の方向性を見据えた選択をしなければならない。
 授業科目は、国語(ドイツ語)、第一・二外国語(通常は英語・フランス語)、数学、化学、物理、生物、地理、歴史、政治、音楽、体育、美術、技術、宗教等を設け、学年が上がるにつれて選択の幅を広げ、より専門的な学習ができるように配慮されている。
 進級に関しては、特に国語(ドイツ語)、数学、英語の3教科が重視され、この3教科の成績が基準に達していない者は、落第ということで、ハウプトシューレに転校しなければならない。
 最終学年(10年生)になると、生徒自身の希望により、企業実習が実施される。この結果を受けて、本人、保護者、教師の三者による話し合いがもたれる。必要に応じて職業コンサルタントも加わり、話し合いを通して卒業後の進路を具体的に決定していく。昨年度の進路状況は、大学進学30%、就職70%である。


雑感

 レアルシューレには、グルンデシューレを卒業してすぐに入学する者(6年制課程履修者)と、グルンデシューレ卒業後、ハウプトシューレで2年間学び、その後に入学する者(4年制課程履修者)が在籍している。
 どの生徒も自分の意志でこの学校を選択し、意欲を持って入学してきている。そのことは、授業中の姿勢によく表れている。しかし、いくら意欲を持って学習していても、学校の教育課程についていくことができず、進級できないまま進路変更を余儀なくされる者もいる。学校側は、この問題を単なる方向転換として捉えているだけで、あまり問題にしていない。国民性の違いもあるだろうが、進路変更を強いられる生徒の心中を察すると、単に方向転換で済まされてよい問題とは思えず、どうにも割り切れないものを感じた。