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●ドイツの教育 |
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リンデンブルグ・シューレ
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学校の概要
グルンデシューレとハウプトシューレが併設されている学校である。ケンプテンの中心市街地の東部、イラー川東岸に位置し、非常に緑豊かで、静かな環境に囲まれている。1956〜58年にかけて、ローマ風建築様式を生かし、ケンプテンの中でも歴史的に最も古いといわれる場所に建設され、公園博物館に隣接している。
訪問した私たちは、まず鮮やかな芝生の中庭にある噴水の出迎えを受けた。その後、美しく飾られ、日本語で「ようこそ」と描かれたホールに通されると、グルンデシューレの子どもたちが楽器の演奏やダンス、秋の歌で私たちを歓迎してくれた。子どもたちの、明るく素直で、礼儀正しい態度が印象的だった。
施設・設備
施設・設備については非常に恵まれている。単に、機能を追求するだけでなく、校舎全体を通して歴史的風格を守り、大切にしていこうとする印象が強く感じられる。
*コンピュータ室
12台のコンピュータが設置されている。
コンピュータ演習は、今年度は8・9年生の選択科目であるが、来年度はもう一部屋増設し、
7年生以上の必修科目になる。
*家庭科室
最新の調理器具が設置されている。
栄養学は7年生の必修、8・9年生の選択科目であるが、選択者の割合は男子の方が多い。
*体育館・屋内プール
屋内プールが地下にあり、11月〜4月まで使用されている。
市内の他校の児童・生徒たちにも開放されており、時間割当に従って利用している。
授業のようす
まず、1年生のドイツ語の授業を参観した。「t」の読み書きの学習で、先生が子どもたちを自分の周りに集め、人形を使ってお話をする形の授業展開である。感心したのは、そのお話の中の宝物が予め子どもたちの机の中に隠されている点で、子どもたちの心を巧みに捉えた先生の演出に驚いた。非常に楽しく授業が進められている様子だった。
次に、3年生の体育の授業。縄跳びを使ったウォーミングアップの後、バスケットボールの初歩段階の学習が行われていた。先生の指示により、子どもたち3〜4人でのシュート練習やいろいろなパスの練習が次々と展開され、十分な活動量が確保されていると感じた。軽快な音楽に乗せてのウォーミングアップ、子どもたちがカラフルなウェアで楽しく活動している様子、先生が指笛で児童を集め、次々に指示を与えている光景など、伸び伸びとした授業風景だった。
4年生の美術の授業では、スクラッチ技法を使った誕生日カード作りを行っていた。BGMが流れる静かな雰囲気の中での作業で、参観した私たちに出来上がったカードをプレゼントしてくれた。屈託のない笑顔に、思わずこちらの顔もほころんだ。
続く、6年生の生物の授業は、消化・吸収についての学習だった。5つのグループに分かれて、別々の実験を行っていた。また、同じ6年生の英語の授業では、フラッシュカードを用いながら、会話中心の授業を行っていた。
最後に参観した、最高学年である9年生のドイツ語の授業は、各自辞書を引きながらの個人学習だった。クラスの半数近くの生徒が旧ロシア等からの転入生で、まだドイツ語をうまく話せないという状態だということで、そういう中で授業を行うことは、大変難しいとのことであった。
意見交換
日本の制度と大きく異なる、グルンデシューレ終了時(9歳)における進路選択については、保護者と教師の懇談の中で決められるが、最終的な決定は両親が行う。保護者の、ギムナジウムへ進学させたいという希望は強いが、その決定に関してはグルンデシューレの教師の助言、すなわち成績が大きなウェイトを占める。主要3教科等の成績が一定水準以上であればそのままギムナジウムに進学でき、水準に満たない場合は入学試験を受けなければならない。しかし、ギムナジウムでの成績が思わしくなく、ハウプトシューレに転校を余儀なくされる児童・生徒もおり、そのコンプレックスから不登校に陥る場合もあるとのことである。
ハウプトシューレは、職業を身につけることに重点がおかれ、児童・生徒に多様な職業選択ができるようにな教育が要求される。そのため、多岐にわたるプログラムが用意されている。
学校としての大きな課題は、児童・生徒の能力差の問題と、旧ロシアや東ヨーロッパ諸国から転入してくる児童・生徒の問題である。クラス編成の際、そのような子どもたちを各クラスに均等配分したり、特にドイツ語に関して特別講座を開講したりして対応してはいるものの、語学力がどうしても劣ってしまう。この問題は、これから先もますます大きくなっていくと考えられる。
雑感
歴史的風格のある校舎。非常に充実した設備。1クラス22〜25名の少人数教育が印象深い。グルンデシューレでは、子どもたちの作品が教室や廊下に飾られ、児童作品を活かした学校掲示がなされている。子どもたちの無邪気で明るい反応、楽しく生き生きと学習する姿は、見ていて実に気持ちがいい。
ハウプトシューレでは、発達段階の差もあるのだろうが、ある種の重苦しさが感じられた。子どもたちが本当に自分のやりたいことを見つけ、自分なりの職業感を身につけた上で、自信や誇りを持って生活していけるのであれば、グルンデシューレ終了段階での進路選択制度も効果的だろう。しかし、現実は必ずしもそうなるとは限らない。また、転入してくる子どもたちの言葉の問題も含め、学校が抱える課題は数多くあるようだ。
しかし、グルンデシューレとハウプトシューレのいずれにおいても、国という枠を越えてすべての子どもを受け入れようとする教師たちの熱意と、確信を持って教育にあたっているという学校の自信と自負が強く感じられたことは事実である。
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