オーストラリアの高校生・受け入れの心構え (受け入れ前に確認しておきたいこと)
ホストファミリーとして、オーストラリアからやってきた高校生を受け入れることになりました。 いったい、どんなことに気をつければいいのでしょうか。 ここでは、受け入れに当たって、ぜひ、これだけは確認しておいてほしいということをまとめてみました。
(1)先入観、固定観念を持たない
オーストラリアの高校生についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。一般的には、「明るい」、「何事にも興味を示し、積極的である」、「目が青く、髪の毛は、金髪である」というようなイメージを持っておられる方が多いようです。しかし、オーストラリアは、ご存じのように、ヨーロッパ系、アジア系等様々な人種で構成されている多人種国家です。従って、肌の色、紙の色、日の色も様々です。また、外見が異なると同様に、性格、日本滞在の目的もそれぞれ違います。つまり、受け入れるオーストラリアからの高校生について、先入観・固定観念を持たないということです。 オーストラリアからやってくる高校生たちは、良くも悪くも、ごく普通のティーン・エイジャーであるということを念頭に入れてください。来日前に、彼らもオリエンテーションを受けてきますが、限られた日数の中でのオリエンテーションには、自ずと限界があります。従って、彼らも過去の限られた知識と経験に基づいた先入観をもって来日するかも知れません。そこで、学生、ホストファミリーの両者が、お互いそれぞれの背景となっている文化、習慣を認め合い、一人一人の個性を尊重して、アドバイスをしていくというのが、異文化理解の第一歩となります。
(2)過度な期待を抱かない
a.受け入れる学生に関する資料には、趣味、家族構成等が記入されています。ホストファミリーの方々が、資料に記入されている通りの学生に会うことを期待されるのが至極当然ですが、このフォームだけでは人格の描写まで十分に現すことができません。従って、やってくる学生が、自分たちの考えていた学生像に完全に一致するということはあり得ません。 b.来日する学生は、テイーン・エージャーであり、大多数は同年齢の日本人ほどしか成熟していません。そしてまた、我々も完成されていません。学生は、ホストファミリーのご家庭にいるような子供たちや他のティーン・エイジャーが持っているような長所と短所を持ったままでやってきます。決して、学生は成熟し、完成された人ではないのです。 c.学生たちは若いので、すぐに日本の生活やホストファミリーとの生活に適応すると考えている方がいます。確かに、一部にはそのようなケースもあります。しかし、大抵の場合、ホストファミリーが、日本人として生活することとはどんなこととかを学生に教えてあげる必要があります。多くの学生は、熱意を持って日本での生活に適応すべく努力をするはずですが、ホストファミリーの協力なしではうまくいくはずがありません。学生があなた方ホストファミリーと一緒にいる間は、上記に述べた方針でいけば、学生は、日本の生活にきっとスムーズに溶け込んでいくと思います. d.ほとんどの学生は、日本語を上手に話したり、理解したりしないと思います。また、あなた方ホストファミリーの中で、どなたも英語を上手に話したり、理解したりする者がいないケースが多々あると思います。この様な場合は、言葉を媒体としない手段、すなわち表情とジエスチャー等を利用し、コミュニケーションを図れば言葉以上の大きな成果をもたらすことでしょう。両者の、ちょっとした努力で効果的な意志の疎通が可能となるのです。外国からの学生を受け入れている多くのホストファミリーの方々は、予想に反して学生を受け入れ、伴に生活していくことはきつかったと述べています。しかし、長い目で見ると意義のあるものは、通常困難を抱えており、その効果はすぐに現れないものです。
(3)受け入れに当たっての事前準備
a.ご家庭の中では、門限、食事の分担、入洛の順序、食卓に座る位置、就寝時間、起床時間など、暗黙の内に了解されているルールがあると思います。オーストラリアの高校生受入にあたって、ファミリー・ルールを再点検し、必要なことを書き出しておいて下さい。ただし、受入にあたって、現在のやり方を変える必要はありません。ホストするご家庭のルールに慣れていない学生によく理解してもらい、協力させることは必要です。それぞれの家庭で子供に対するしつけの方針も違うと思いますので、学生に納得のいく家庭生活を送らせてあげて下さい。 b.日本の国、特に今、住んでいる町や市についての知識を得ておいて下さい。同時に、オーストラリアの高校生の出身州についても、多少でも知識を得て質問できるように関心を深めておくと、学生はとても喜びますし、コミュニケーションを持つ良い機会となります。
家についたら、ゆっくり休ませて、長旅の疲れを取ってやって下さい。オーストラリアの高校生は、自分の家を出てから長時間の飛行、日本国内の移動により、緊張と疲労が積み重なっています。第一日日の歓迎は程々にして、まずリラックスさせてあげるのが何よりの歓迎となります。 ☆家に着き、一息ついたら、次のことを必ず話し合って下さい。 a.家族全員、一人一人紹介する。(名前を書いてあげると良い) b.家中を差し支えない限り見せ、使用してもらう部屋、風呂、トイレ等の場所を教える。(布団を使用する場合、寝具はどこにしまってあるにか、どのように使用するのか教える) c.健康状態を確認する。大部分の学生の健康状態は良好ですが、長旅をしてきているので、到着したら、本人の健康状態を尋ね、また、治療用の薬を使っているかどうかも確認して下さい。アレルギーや特に食べられないもの(健康、宗教上の理由等で)があるかどうかも確認して下さい。 d.家族のルールを理解させる。長旅の疲れを癒した後、家族のルールや滞在中の過ごし方などについて話し合い、初期の段階で双方が了解しておくことが必要です。 (注1) 学生の希望を全てかなえてあげる必要はありません。ホストファミリーのご家庭で、できることとできないことをはっきり説明して下さい。日本とオーストラリアでは、社会的なモノサシが違うことを知るのは、彼らにとってよい勉強です。あまやかさず、厳しすぎもせず、徐々に日本の生活に慣れさせていって下さい。 (注2) 日本滞在中の計画について話し合うとき、併せて日本の物価のことも触れ、小遣いの使い方や本人が考えている家族、友人へのお土産についてアドバイスをしてあげて下さい。また、日本人は、金銭のことをはっきり言うことに抵抗を示す傾向がありますが、一緒に外出したときなど、本人が支払わなければならない費用など、最初からはっきりさせておきましょう。
a.学生の反応を見ながら、各ご家庭で毎日している普通の食事を心掛けて下さい。特別扱いは決してよい結果を生みません。特別な献立ばかりだと、日本人は毎日ご馳走ばかり食べていると思うし、経済的にも負担になります。オーストラリア人だから肉食、という先入観にとらわれることのないように、また品数を多くしなければと心配する必要もありません。偏食やわがままからではなく、体質的に(アレルギー等)、あるいは信仰上の理由から食べられない物がある場合は尊重してあげて下さい。 b.食べにくい物、気味悪がる物もあります。あまり学生の反応を気にせず、一応食卓に出してみて下さい。日本人が毎日食べているものだから、試しに食べてみようという雰囲気をつくってチャレンジさせてみて下さい。 c.食事には、料理の味や種類への配慮ばかりでなく、楽しい話し合いの場となるような話題の選択や雰囲気作りへの配慮が含まれます。食事の準備や買い物に一緒に出かけることも、早く食べ方や生活に慣れてもらうのに効果的です。また、彼らは著で食べたがりますので、箸の使い方を積極的に教えてあげましょう。 d.食事の量は、全般的に小食です(もちろん、人により違いますが)。外国から来る学生さんを痩せて帰らせたのでは申し訳ないという心配は無用です。オーストラリアでは、高校生の年代からダイエットが行われていますので、美容のために痩せたいという希望を持っている学生には協力してあげる気持ちでいいと思います。 e.次にあげる食べ物は、多くの学生たちが日本滞在中、好物としてあげた物の一部です。参考にして下さい。 炒飯、炊きそば、とんかつ、焼き鳥、揚げ物各種、スープ、ラーメン、餃子、シユーマイ、スパゲティ、ピザトースト、菓子パン、サンドイッチ、カレーライス、寿司、すき焼き、果物各種、煎餅、あられ等
ホストファミリーの中で、英語を満足に話せる者が一人もいないと心配なさる方もいらっしやると思います。英語が苦手だからと、学生の受入を躊躇された方も少なくないと思います。確かに、外国語を自由に話せることは、もちろん素晴らしいことだと思います。 しかし、学生をホストすることと、英語を話せる方がいる方がいいこととは、ほとんど関係がないようです。むしろ、「中途半端な分かったつもり」がかえって誤解の元になってしまったりという例もあるくらいです。英語を使いすぎることが、かえって学生の日本への溶け込む努力を阻害してしまうことにもなりかねません。通じさせよう、分かってもらおうという、お互いの気持ちが、言葉のハンディを乗り越えて素晴らしい人間関係を生み出します。 一言も英語を話さないおばあちゃんと、一番仲良くなったという例もあります。学生をホストするということで、英語の勉強をと期待する方も多いと思いますが、そのことが第一となってしまうと、学生は自分を受け入れてくれたのは、会話の練習のためであったかと失望してしまいます。生活に必要なコミュニケーションは、「かた言」とジェスチャーで何とか通じます。
学生が帰国する際、何か特別なお土産を持たせてあげた方がよいのではと考えているホストファミリーの方々がいらっしやるようですが、あえて特別な土産を用意する必要はありません。我々は、贈り物をしすぎる傾向があります。どうしても記念として何かあげたいというときは、日本的で簡単なものがよいでしょう。