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五重相伝




 今年(平成12年)の2月に、浄土宗・延命山地蔵院・常光寺において「五重相伝」を受けました。
 2月6日の足揃式に始まり、9日〜12日の前行(この途中、11日夕には剃度式、12日夜には懺悔道場がありました)、そして13日の正伝法と続く、なかなか厳しいものでしたが、なんとか無事に満行することができました。

 ここでは、当日のしおりの中に、五重相伝がどういうものかについて簡単な説明がありましたので、それを紹介します。


 五重とは、5つのお巻きものをさします。
   初重 元祖法然上人御作『往生記』
   二重 二祖鎮西上人御作『末代念仏授手印』
   三重 三祖良忠上人御作『領解末代念仏授手印抄』
   四重 三祖良忠上人御作『決答授手印疑問鈔』
   五重 曇鸞大師伝 口授心伝

 浄土宗では、その奥義を五種に分けて相伝させていただきます。1475年、三河の大樹寺で勢誉愚底上人が岡崎城主松平親忠公に相伝されたのが、在家信者に対しての初めての五重です(化他五重)。特に江戸時代後半より全国的に広がり、「近江五重」「大和五重」「和泉五重」とよばれるほど近畿では盛んに行われています。これらの地方では、浄土宗の壇信徒のみなさまは必ず五重を受けていただくようにおすすめし、また、縁なく生前に五重相伝を受けていただけなかった仏様には、家族や近親者の方から追善のために「贈(おくり)五重」を行っていただいております。
 初日から四日間を前行といい、この間は勧誡師上人に五重を詳しく、また私たちの生活に即してお話をしていただきます。これを『勧誡』といいます。また、『回向(えこう)』を行います。すでにご他界なされた父母、兄弟、縁ある方々を偲びつつ、大きなお声と五体投地のお礼拝で追善のお念仏をお願いします。回向師上人が私たちの念仏が出やすいように、情感あふれる御歌と音韻でリードして下さいます。
 この四日間、『勧誡』で「心」、『回向』で「行」をお体得いただき、五日目の『正伝法』という儀式に入っていただきます。正伝法は、古くから変わらぬお作法で、みなさまに念仏の奥義をお伝えする儀式です。お受けとめいただく心持ち次第で、随分みなさまのお心にお伝えできるものも異なってくると思います。まずは、前行四日間の積み上げの上にあると申せましょう。