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  バーガーパンは、17ミリが一番うまい?


 今日は少し趣向を変えて、“ハンバーガー”について書こう。何年か前に聞いた話なので、今では通用しないことがあるかもしれないが、根底に流れるものは感じ取ってもらえるだろう。
 外食産業、とくにテイクアウト形式の最大手である「日本マクドナルド」。今まで一度も口にしたことがないという人は、おそらくみんなの中にはいないだろうが、うまい・まずいは別として、そこで売られているたった1個のハンバーガーの中に込められている“企業意識”がいったいどれほどのものか、少し細かな数字をあげてみたい。
 まず、バーガーパン。何ミリが一番うまいのかというと、これが17ミリ。16ミリでも18ミリでも、全然その味わいが違うらしい。そして、パンの中の気泡は5ミリ以下。それ以上だと口の中に入った時、おいしくないというわけで、あの何の変哲もないバーガーパンが厳しい商品管理のもとで、パン内の気泡が5ミリ以下、厚みはジャスト17ミリに作られているという。
 次に、パンにはさまれている牛肉。一体、どれくらいの重さか知ってる? ちょうど45gなんだって。これは、人間が牛肉を食べた時に、一番心地よく「食べたなあ」と感じる重量が45gだということで、それにピッタリ合うように作られているのだそうだ。
 同様に、牛肉を焼く鉄板の厚さは32ミリ、焼く温度は270度・・・。これらのことすべてが、いかにお客さんにおいしく食べてもらうかという研究の結果、全国のステーキハウス、レストラン等をこまめに歩いて、やっとたどり着いた結論だということで、全国のマクドナルド店は、すべてこの温度で管理されているという。
 まだまだある・・・・。お客さまに出すハンバーガーの温度は62度。いくら安い材料でも、限界ギリギリまでおいしく食べてもらうためには、その温度=62度がベストだという研究の結果だ。さらに、作った後、10分以上経ったら捨てる(売れずに残っているもので)。注文されてから出すまでは32秒以内 −これは、人間が待てる限界の秒数だというところからきている。これ以上になると、人はイライラしてくるという− というふうに、時間的な観点での配慮もきっちりとなされている。
 もちろん、おいしさというものは人によって、あるいはその時々の気分によって、それこそ微妙に変わるものだから、こんなふうに画一的にコントロールしたところで、それが一番いいということにはならないとは思う。事実、最近では、同じ商品でも売る地域・対象によって、わざと味付けを変えているものもある。しかし、外食産業が進出してきた背景にある《いかに安く、それでいておいしく》という点を突きつめていけば、高い値段のものをおいしく味わってもらうという当然のことから一歩離れた道すじとして、安い材料でも、工夫しだいでいくらでもおいしく食べてもらえるという、企業のたゆまぬ研究と情熱のたまものを、ここに見る思いがする。
 企業というのは、商品(サービス)の代償にお金をいただいているという点で真剣だ。「そんな細かな」と思うかもしれないが、そこに何か私たちが学ぶべきものはないだろうか・・・。